TopProgram木野彩子 レクチャーパフォーマンス『ダンスハ體育ナリ?』其ノ三 2021年踊ル?宇宙ノ旅

Program

木野彩子 レクチャーパフォーマンス
『ダンスハ體育ナリ?』其ノ三 2021年踊ル?宇宙ノ旅

Dance New Air 2018で上演した、其の一(体育教師トシテ大野一雄ヲ通シテ)、其の二(建国体操ヲ踊ッテミタ)に引き続く、シリーズ第3作。元中高保健体育教師であり、ダンサーと大学講師の二足のわらじをはく木野が、レクチャーパフォーマンスを通して、未来の身体について考察する。
公演日時
11/5 Fri 18:30
11/6 Sat 18:30
上演時間:約60分
会 場
港区立みなと科学館
5歳から入場可
 日本では体育の一環として教えられているダンス。健康のために、音楽に合わせて清く正しく美しく。其ノ一では明治期からの女子体育の歴史と大野一雄を、其ノ二では1940年幻の東京オリンピックと体操の大流行を扱ってきました。日本人の集団性が教育の中で養われ、個人の自由な表現は軽視されてしまう傾向があるのは否めません。体育は特に身体から思想全体へと影響を与えてきました。体育がスポーツ化するのに合わせ、ダンスのスポーツ化も進み、すごい身体を目指して追求する人とそれを見る人の分断が進んでいく中、もう一度一人一人が自分の身体と向き合う時ではないかと考えます。2024年パリ五輪ではとうとうダンスが正式種目になりますが、ダンスは競い合うものではなく、お互いの違いを認め合うものであったはずです。優劣をつけるものではなかったはずなのに、いつから選ばれた人のためのものになってしまったのでしょうか。そして誰が何を基準に優劣を判断できるのでしょうか。審査員が?マーケットが?メディアが?世界が?それって、誰ですか?

 シリーズ第三弾となる本作では、ダンスどころか身体をそして自己を放棄しつつある人類の未来について、考察します。整形などの身体変工から2.5次元ミュージカルの台頭、コスプレをみてみると、何者かへの変身を望み、結果として実体の自分を否定してしまう現代の文化が見えてきます。それは本当に幸せなことなのでしょうか。アバターやバーチャルリアリティに可能性があることは確かですが、全てを自分が、あるいは人間が作り出していると思ってはいないでしょうか。一人一人の身体はこの宇宙の星にもつながっていて、だからこそかけがえのない輝く生命であったはずです。138億年の記憶がこの細胞、DNAに眠っていて、ダンスは元々それらの記憶を辿り、蘇らせるような行為だったのではないでしょうか。だからダンスは文字の生まれる前から途切れることなく続いているのです。私たちはこの身体からしか考えることはできません。身体から一緒に考えてみましょう。この身体で、ライブでなければできないこととは何なのか。ダンスはどこへ向かうのか。プラネタリウムで宇宙の旅に出る特別編。

構成・出演:木野彩子
プラネタリウム映像コーディネート:宮部勝之 
音響:國府田典明
プログラムデザイン:北風総貴(ヤング荘) 
企画制作:キノコノキカク
企画協力:NPO法人ダンスアーカイヴ構想
協力:港区立みなと科学館、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U)
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